Why
今後もいろんなところでCFPを出していくぞ!というメモ書きとしてこれを残します。
※なお、この記事は所属企業団体を代表するものではなく、筆者自身の個人的な意見であることを書いておきます。
What
昨年は落ちたGo Conference 2025はCFPを通したい!と思ってプロポーザルを出したところ採択してもらいました。
発表内容について
先日開催された Go Conference 2025 で、Goで体感するMultipath TCP ― Go 1.24 時代の MPTCP Listener を理解する というタイトルで登壇してきました。20分の公募 CFP 枠です。
最後に公開された資料によると単純計算で 27/244 =おおよそ9倍、去年が5倍だったらしいです。
5倍の倍率かー。
— luccafort@Go Conference 2025 (@luccafort) 2024年6月8日
プロポーザル、通らないのも仕方ないね。
ちょっと難しい学部の入学試験くらいの倍率?
#gocon
これは去年のyapcで出てた歴代最高のCFP数と言ってたやつで7倍だったのでそこよりも高いというのは相当ハイレベルなカンファレンスになってたことがわかります。
本当に選ばれるだけでも難しいところを選んでいただけたのは大変光栄です。
CFPを練るにあたっての所感
前述の通り昨年は公募CFP3本(GoCon, YAPC, CNDW)出して唯一落としたのがこのGoConでした。
去年はそのときは 最速のUDPConnを目指して
というタイトルで出していました。
これはソケットとしてコンパチビリティを持つけど、裏側に高速パケット処理系を利用した物を使うという話を出していました。このときは残念ながら通過ならずで悲しい気持ちでした。
この経験から、採択されるセッションの多くが Go 言語そのものに近いテーマであることに気付きました。標準ライブラリの解説や有名ライブラリの詳細、PGO など、言語仕様や標準機能に関する話題が多くを占めていました。
いろいろ調べてみるとコロナ以前であれば Go で実装したネットワークコントローラー実装のような、いわゆる「やってみた!」みたいな事例も通っていましたが、傾向が変化していたと自分は思っています。
(※これに関してはいろんな意見があると思いますが、個人的には真っ直ぐに言語系のカンファレンスらしいイベントになってるなと思いました。そういうイベントのカラーだよなと思いますし、公開されてる利用ユースケースはいっぱいあるのでそれで良いんじゃないかなと思ったりしています。)
さて、そこで今回はGo のリリースノートを精査しそこから選ぶことにしました。具体的にはリリースノートから自分が知見を持ち、今話す意義がありそうなテーマを探しました。その結果選んだのが、net パッケージで TCP Listen 時に MPTCP がデフォルト有効化された変更です。 私は昨年、MPTCP の eBPF 拡張を活用した研究を行い、共著で論文やブログも執筆していたため、この分野で質の高い発表ができると判断しました。
その結果、このプロポーザルは採択されました。
これは傾向に対しての分析を適切に行なって上でCfPを投稿したというのが良かったのだと思っています。
文章として意識づけたところとして、このようなポイントを意識づけています。
- 明瞭さ:平易な文章で短くまとめる
- インパクト:聴講者が持ち帰れる内容を明示
- 適時性:なぜ今話すのかを事実と共に記述
- 実現性:目安となるタイムテーブルを提示
書いたCFPは以下のとおりです。先程述べたポイントが抑えられてそうなのが理解できるのではないかと思います。
## Goで体感するMultipath TCP ― Go 1.24 時代の MPTCP Listener を理解する 本セッションでは、GoでMPTCPを利用するための方法と、MPTCPの基本的なアーキテクチャを解説し詳しく掘り下げます。 2025年現在、mptcp.ioの測定によるとMPTCPの実世界の利用規模はMPTCP v1で57万以上のIPが確認されています。代表的な例ではAppleやモバイルネットワークなど様々な所で利活用が進んでいます。 Goにおいてはv1.21(2023年)にGo標準のnetパッケージに導入されました。そして、Go v1.24(2025年)でTCPのListen時にデフォルトでMPTCPが有効化されるようになりました。クラウドネイティブ関連のサーバー&インフラソフトウェアで多く利用されるGoで有効化されたことで今後もより活用が進むことが考えられます。このことから、「Goを利用する開発者が今こそ学ぶべき技術である」と応募者である私は確信しています。 セッションを通じて、Go で書いた小さなサンプルとカーネル/ロードバランサ設定の注意点を紹介し、聴講後には自身の環境で MPTCP を動かすための最初の一歩を踏み出せる知識と手順を持ち帰れるようにすることを目指します。 想定している話の流れは以下の通りです - 3m: 自己紹介および、セッションの概要説明 - 7m: MPTCPプロトコルの概説 - 5m: Goでの実装例 - 5m: 運用ノウハウやLinuxの観点からのチューニングポイント 想定してる聴講者は以下の通りです - Go でネットワーク/バックエンドを開発するエンジニア - SRE、プラットフォーム担当者 - マルチホーム・モバイル特性を活かしたいアプリ開発者
発表方法について
発表練習は個人で行い、スピーカーノートにはある程度文章でスクリプトを描きました。発表資料・言語は日本語なので緊張はしましたが話が飛んでしまうということはなかったかなと思います。
が、相変わらず話したことをいっぱい詰め込んだら早口になったためマシンガントークと言われてしまいました・・・トホホ(お聞き苦しくすいませぬ・・・)
takemioさんのマシンガントークいつも面白くて好き🤣 #gocon
— satoken@飲フラSRE (@ken5owata) 2025年9月28日
当日の発表は200人近い人の前で話すことになり流石に緊張しました・・・
終わりに
そうえば、今回は所属企業として初めてスポンサー応募を出して、ブロンズスポンサーを務めました。本当はゴールドスポンサーを目指していたのですが、残念ながら抽選に漏れてしまいました。通る気満々でTシャツとか作って参加してたので、来年はぜひブース出展まで実現できると嬉しいですね笑
また、若手メンバーの学習の一環としてイベントに同行してもらいました。いろんな人の発表に関する感想については、若手の同僚達が記事にまとめてくれているので、ぜひそちらをご覧いただければと思います。(PV数が彼らの励みになります :bow: :bow: )
個人的には前述の通り昨年のリベンジができて良かったなと思いました。 運営の皆さん、大変素晴らしいイベントでした。ありがとうございました!!!
今後もイベント登壇を通じてコミュニティに貢献していきたいなと思います!